EXCAVATION RESULTS発掘成果

【364集】むじな塚遺跡

むじな塚遺跡

市町村寄居町

主な時代縄文・近世

発行年度2009

むじな塚遺跡は、荒川右岸の河岸段丘上に立地する。荒川が外秩父山地から関東平野に流れ出た地点から約5㎞下流である。むじな塚遺跡がのる河岸段丘は、標高116m前後で荒川によって形成された段丘の上位面にあたる。遺跡の周辺は、東側と西側をそれぞれ荒川に注ぐ小河川によって開析され、周囲から画され北東方向に張り出した地形となっている。
これまでに9次にわたる発掘調査が実施され、縄文時代前期から中期にかけてと古墳時代後期の集落が確認されている。今回の調査では縄文時代中期、勝坂期後半の住居跡が6軒検出された。削平のためか、ほとんどの住居跡で掘り込みを確認できなかったため、出土遺物は少ない。しかし、今回の調査の成果として、遺跡西端部にも集落が広がっていることが確認できた。また、住居に囲まれた中央部では、集石土壙が5基発見された。特に、第5号集石土壙は、深い掘り込みの底部に扁平な砂岩を設置し、それを囲むように礫を配置していた。それ
らの礫は被熱し、赤く変色していることから、繰り返し使用されていたことが考えられる。
縄文時代の遺構の他に近世の溝跡が2条検出された。こちらも掘り込みが浅く、遺物はわずかであった。

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