EXCAVATION RESULTS発掘成果
【358集】まま上遺跡Ⅱ

市町村毛呂山町
主な時代平安~近世
発行年度2009
まま上遺跡は、外秩父山地の東側に広がる入間台地の一部を構成する毛呂台地東縁に位置する。台地は山地から流れ出る河川により、幾筋かの東西方向の細長い台地に開析されている。遺跡は葛川と高麗川に挟まれた高麗川左岸の標高43mの平坦な台地縁辺に立地している。これまで9次の調査が行われ、縄文時代と平安時代の集落跡が検出されている。
調査の結果、平安時代と中世から近世にかけての遺構・遺物が検出された。平安時代の遺構は、住居跡7軒、溝跡1条が検出された。住居跡からは土師器・須恵器、灰釉陶器や、須恵器に「王」「春」と書かれた墨書土器が出土したほかに鉄斧・刀子・鉄鏃が出土した。集落は平安時代初頭から9世紀代の集落であり、隣接する築地遺跡と一体の集落として考える必要がある。中・近世の遺構は、溝跡8条、土壙47基と多数のピットが検出されたが、明らかな時代は不明である。