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円面硯


資料写真

読み方 えんめんけん
時代 奈良時代
大きさ 高さ7.1cm
遺跡名 稲荷前A区(いなりまえAく)
市町村 坂戸市

1号住居跡から出土した須恵器(すえき)の円面硯である。伴出した土器から奈良時代の終わり頃に使用されたものと思われる。土の特徴から南比企(みなみひ き)窯跡群で生産されたものであることがわかる。円面硯は古代の硯の一種で、上部の平坦面が硯面、その周囲に堤が巡らされている。脚部には斜格子と縦線を 組み合わせた文様が描かれている。奈良時代には律令制が確立され、文字の使用が急速に進んだ。硯と墨は必要不可欠な道具であった。主に役所や寺で使用され たが、一般集落でもかなり使用されたようである。