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大木戸遺跡(第20次) (さいたま市)

読み方
おおきどいせき
場所
さいたま市西区指扇4044他
調査期間
平成27年4月1日~平成27年10月31日
主な時代
縄文時代

 【平成27年12月更新しました】  平成26年度の調査はこちら

大木戸遺跡は、JR川越線西大宮駅から北西約500mの滝沼川に臨む台地上に立地します。調査は平成26年度の第18次調査から引き続き行っています。
4月から本格的に調査を開始した第20次調査区は、台地の裾から低地にかけての部分です。絶えず水が湧く環境にあったため、有機質の遺物が現在まで残っています。縄文土器(深鉢・鉢・浅鉢・注口土器)や石器(石鏃・石皿・磨石)のほか、漆塗りの木製容器や耳飾り、木の実なども見つかっています。これらは縄文時代後期前葉から中葉(約4,000年前)の遺物で、木製品やクルミ、トチなどの木の実は当時の植生や環境を知るとともに、縄文人の暮らしを復元する重要な手がかりとなります。

H27大木戸1

流木などが折り重なるように出土しました。
この中には、杭として打ち込まれた木材もあります。

H27大木戸2

調査の様子です。長靴とゴム手袋は必需品です。

 

【以下、平成27年7月更新】 -----------------------------------

H27-7ookido20_1

遺物包含層から多量の縄文土器や石器、木製品が出土しました。この遺物包含層は、縄文時代後期前葉から中葉(約4.000年前)に形成されたもので、アシやマコモなどが繁茂したことを示す泥炭(でいたん)層が上を覆っていました。さらにその上には、滝沼川の氾濫による砂や粘質土が厚く堆積していました。

H27-7ookido20_2

現在の土瓶と同じ形をした土器です。注口土器と呼ばれ、酒などを注ぐための道具と考えられます。残念ながら管状の注ぎ口は失われていました。胴部には、細い線で渦巻文を連結した文様が描かれています。

H27-7ookido20_3

赤漆を塗った竪櫛の破片です。櫛の歯はほとんど残っていません。現在の横長の櫛と異なり、縦に長い櫛です。串状の歯は、繊維で束ねてから漆で塗り固めたものです。櫛の棟には綾杉状(あやすぎじょう)の文様が表現されています。

H27-7ookido20_4

石斧を装着する柄の未製品です。斧の柄には、ちょうどいい角度と太さの木が選ばれました。石斧を装着する台部はまだ加工されていません。柄には木の節が残っています。

 

【以下、平成27年10月更新】 -----------------------------------

調査は終盤を迎えています。これまでに、縄文時代後期の土器や木製品など多くの遺物が出土しました。飾り弓や耳飾りなど漆の塗られた木製品も出土しました。また、丸木舟や舟を漕(こ)ぐための櫂(オール)も出土しました。

H27-10ookido1

H27-10ookido2

黒漆塗り(写真上)と赤漆塗り(写真下)の飾り弓が出土しました。どちらも漆が全面に塗られ、糸の巻き方で様々な文様が表されています。

H27-10ookido3

漆塗りの耳飾りです。縄文時代の耳飾りは土製が一般的ですが、これは赤漆を塗った木製の耳飾りです。両端が窪んだ栓(せん)状で、中心には孔が開いていません。

H27-10ookido4 上の写真が丸木舟、下の写真が櫂(オール)です。

H27-10ookido5

 

【以下、平成27年12月更新】 -----------------------------------

発掘調査は9月末に終了しました。現在、調査区を取り囲む鋼矢板の引き抜きと、埋戻し作業を行っています。

H27-12okido20_1

重機を使って、調査区を埋め戻しています。
今回の調査では、縄文時代後期の低湿地遺跡として、杭列や土壙などが検出されました。木の道具や漆製品などの有機質の遺物が数多く見つかり、水辺を利用した縄文時代の人々の生活空間の一端が明らかになりました。

H27-12okido20_2

水辺からは杭列が見つかりました。杭列は、丸太材や板材などが地中深く打ち込まれていました。

H27-12okido20_3

カゴや敷物などの「編組(へんそ)製品」も見つかりました。
写真は、土器を作るときに底に敷いた網代(あじろ)、またはカゴの底と考えられる編組製品です。タテヨコに材が隙間なく規則正しく編まれています。

H27-12okido20_4

タケやササなどの植物を編んだ「アンペラ」と呼ばれる敷物の一部も出土しました。